矯正が広まることになった装置

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歯科医院では、ワイヤーと歯を固定する矯正器具が一般的に使われています。ブラケットと呼ばれるこの装置はとてもシンプルで、かつ安全に歯並びを矯正することができます。このブラケットが誕生したのは1900年代初頭のことです。金属と針金を歯に取り付けて歯を固定する装置はアメリカで開発されました。この装置はその後の治療方法に多大な影響を与えることになります。何度か大きな論争が起きたこともあります。そのたびにこの装置を使った治療方法の検証と改良がなされ、安全性が高められていったのです。


1900年代頃までは歯並びを矯正する際、抜歯することが基本とされていましたが、金属を使った装置の登場でその必要がほとんど無くなります。歯並びを治療するとき、場合によっては抜歯することもありますが、そういったケースはさほど見られません。歯を抜かずに治療できる場合が多いからです。すでに歯が抜けかけている状態や隙間が無い場合をのぞき、そのまま矯正するのが一般的になっています。

アメリカで誕生した非抜歯による治療方法は、歯科矯正学の大きな転換期となります。数多くの症例と照らし合わせたところ、抜歯が不要だったケースが多かったのです。装置を使った治療方法は一時衰退しましたが、戦後は世界中で急速に普及し始め、日本の歯科医院でも導入されていきます。普及したばかりの頃の日本では抜歯が当たり前となっていたものの、その後は徐々に非抜歯へとシフトしていったのです。